懐かしい日本の暮らし『粋な涼み方』

懐かしい日本の暮らしには、日本独自の『粋な涼み方』がありました。

早起きと朝顔

一昔前、暑くなる前の5時くらいから起きて、仕事に励み、暑さがピークになる午後には昼寝をして、という生活だったそうです。現代では難しいかもしれませんが、自然に適合した「持続可能な」ライフスタイルとはこういうものを言うのかもしれませんね。夏の風物の朝顔を育てて早起きして鑑賞すると言う愉しみ方も江戸の頃から広まりました。

日傘

日差しを遮る日傘。夕方の急な雨にも対応できます。

手ぬぐいとはんかち

汗をかいてこまめに体を冷やす。かいた汗は手ぬぐいやハンカチでさっと拭く。体を冷やし過ぎず、体温を保つ習慣です。

すいかと夏野菜

夏といえばスイカですが、きゅうりやトマト等の夏野菜も体を冷やす効果があります。旬にできるものは、その土地の風土・季節に合った食であり体の健康につながります。

朝茶を楽しむ

忙しい朝こそあえて、朝ゆっくりお茶を飲む。お茶にはカテキンやビタミンが含まれ、夏ばて予防にもなる。

浴衣

綿や麻などの素材でできた浴衣は、袖口が開いているので通気性もよく、伝統的な藍染めは、藍のにおいを虫が嫌うので、虫除けになるそうです。

さんぽと下駄

体の重身を整えて姿勢を良くする、また鼻緒が足の親指と人差し指の間の行間というツボを刺激して自律神経を整えると言われ、健康面でも注目を浴びています。

舟遊び

水温は気温より低いから、水の上を渡ってきた風は涼しく、江戸時代は、屋形船、屋根舟、猪牙船に乗って水上に浮かんで夜風に当たっていました。

簾(すだれ)と葦簾(よしず)

陽射しをさえぎりながらも風は通すので軒下にかけます。窓と簾の間に日陰の層を作るよう窓から少し離れたところにかけると、風が涼しくなります。風鈴の音も涼しさを誘います。

風鈴

風鈴の音も涼しさを誘います。

団扇(うちわ)と扇子

蒸し暑い日本の夏の強い味方。昔は、水を湿らせて扇ぐ水団扇もありました。

甘酒

江戸時代、甘酒は夏の飲み物で、麹(こうじ)からのビタミンとブドウ糖を含んだ発酵飲料です。水分補給、糖分補給として「甘酒売り」なる人が売り歩いていました。よって夏の季語にもなっています。

打ち水

午前の早い時間や、夕方などの涼しい時間に、風呂の残り湯や雨水などを、庭や通り、壁などに撒きます。水の気化熱でわずかですが表面の温度が下がります。

銭湯(せんとう)

汗をさっぱりと流すのに銭湯も良いでしょう。

楽しいことが暑さを忘れさせる『夏祭り』『花火大会』『縁日』『怪談』なんかも暑気払いにはいいですね。