昔の人は、お正月に一年の無病息災の願いを込めていました。「おせち料理」「お屠蘇」「正月飾り」「お年玉」。懐かしい日本のお正月の準備をいたしましょう。
目次
おせち料理
年神様に節目に供えるとした「御節供」が語源。「めでたい」鯛。「髭を生やし腰が曲がるまで長生き」海老。「まめに働く」黒豆。「日の出に見立てた」紅白かまぼこ。「勝栗」栗きんとん。などなどそれぞれの食材にも由来があります。
重 箱
「めでたさ」を重ねる重箱。江戸時代に重箱に御節料理を詰める習わしが広まっていきました。
祝い箸
柳などの白木で作り、両端が細くなっていて、祝儀、特に正月の膳に用いる箸。「柳箸」「雑煮箸」ともいう。
お雑煮
お雑煮(ぞうに)は餅を主な具とし、醤油や味噌などでだしを味付けたつゆをはった日本料理です。地方によって、餅の形も具材も出汁も様々です。江戸時代の東海地方では、餅と菜を一緒に取り上げて食べるのが習わしで「名(=菜)を持ち(=餅)上げる」という縁起担ぎでした。
お屠蘇と大福茶
お屠蘇(とそ)は、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む縁起物の酒であり風習です。数種の薬草を組み合わせた屠蘇散(とそさん)を赤酒・日本酒・みりんなどに浸して作ります。
大福茶もまた同じような目的で京都で飲まれています。
屠蘇散
屠蘇散(とそさん)の処方は『本草綱目』では赤朮・桂心・防風・菝葜・大黄・鳥頭・赤小豆を挙げている。現在では山椒・細辛・防風・肉桂・乾姜・白朮・桔梗を用いるのが一般的です。
屠蘇器
屠蘇器(とそき)は、小・中・大の三種の盃を用いて飲むが「一人これを呑めば一家疾無く、一家これを呑めば一里病無し。元日の朝に年少の者から年長の者への順に飲みます。
大福茶
正月に大福茶(おおぶくちゃ)として振る舞われます。京都・関西地方の慣習です。黒豆、昆布、梅干し、山椒といった具に煎茶や湯を注ぎます。元日の大福茶は朝一番に組んだ若水を沸かした湯を用います。平安時代から続く邪気を払うとされているお茶です。大服茶・皇服茶・王服茶の文字を当てることもあります。
● 姉妹サイト「Tea for Ours」で「大福茶」の特集をしています。よろしければご訪問ください。
正月飾り
年神様を家へ迎えるための飾りつけです。
門 松
門松は年神様の目印であり依り代とされています。一年中、落葉しない松、破竹の勢いと言われる竹が用いられています。
注連縄飾り
注連縄は神道における神祭具で糸の字の象形を成す紙垂をつけた縄です。神聖な区域とその外とを区分するための標です。年神様を迎える準備をします。
鏡 餅
鏡餅(かがみもち)とは、日本の伝統である、餅を神仏に供える正月飾り(床飾り)であり、 穀物神である年神様への供え物であり、年神様の依り代です。鏡開きとしてお供えのあと皆に振る舞われます。
干支の置物
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支の年神様をお正月に床の間など人の集まる場所に飾ります。
お年玉
お年玉の語源は、正月に年神様を迎えるために供えられた、年神様の霊魂が宿った依り代の丸い鏡餅が、家長によって子供に分け与えられ、その餅が「御歳魂(おとしだま)」と呼ばれたことから、とする説があるそうです。